
掲載日:2017.07.03
2017年度「野生動物医学入門・寄生虫講座」を開催
エクステンションセンター生涯学習課主催の「野生動物医学入門・寄生虫講座」が、6月25日(日)、研修館で開催され、13名の参加がありました。
講義1は、獣医学群浅川満彦教授が「エキゾチック・ペット医療分野で活躍する獣医師とは」をテーマに講義を行いました。浅川先生は、獣医師の職域の中で公衆衛生分野、産業動物分野での獣医師不足、一般の動物病院でのエキゾチックペットの診療件数の増加と専門家不足といった獣医師偏在の現状を話されました。そのような状況の中、エキゾチックペットによる自然生態系、動物福祉ウエルフェアの面で問題が発生していることについて説明し、外来生物法や動物愛護管理法について解説されました。さらに、代表的なエキゾチックペットの生息地の状況、起因する寄生虫病について説明し、動物病院や大学としての使命、飼育希望者への警鐘を促し、講義は終了しました。講義終了後には、浅川先生が指導するに学生が飼育するモモンガやへびの展示を行い、生態や飼育方法について質疑応答を行いました。
講義2は、獣医学群福本真一郎教授が「干支の動物の寄生虫:酉(とり)の寄生虫~生産動物の寄生虫~」をテーマに講義を行いました。福本先生は2006年から、その年の干支の動物に関連した寄生虫講座を実施していました。今年は酉年であり、生産動物の中で卵も肉も人の食生活の中で役立っていることから、ニワトリについて話をされました。品種や起源、病気や寄生虫について話された後、現在の養鶏場では、感染症の発生が起こると、直接鶏個体の死亡に繋がるだけでなく、鶏群全体の生産性の低減等の経済的な損失にまで繋がり、衛生管理が厳格に実施されていると説明されました。各種ワクチン接種、伝染病の監視や侵入防止に多大な配慮がされ、発生後の治療ではなく、如何に発生を抑えるかという防疫対策が重要であるとまとめられ、講義は終了しました。