エクステンションセンター生涯学習課主催の「人と動物の素敵な関係講座III」が、7月5日(日)午前9時
より、本学研修館で開催されました。受講者は22名で、10代から80代の方までの、幅広い年齢層の
方々の参加がありました。
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講義1は、獣医学群獣医保健看護学類佐野忠士准教授(動物集中管理研究室)が「遺伝子に組み込まれた時
間の流れ〜老化を考える〜」をテーマに講義をされました。
佐野先生は、はじめに老化の原因はとして考えられるテロメア説、活性酸素説、ストレス説などを説明し、
高齢期において認められる行動の変化の各種症例を解説されました。加齢による神経機能の低下が原因と
考えられる症状は、犬では認められるが猫では認められないと話し、アンチエイジングの方法について解説
されました。「飼い主さんがワンちゃんと楽しい時間をどれだけ過ごせるかが大切です」とまとめられ、
講義を終了されました。
講義2は、獣医学群獣医保健看護学類北澤多喜雄教授(学類長・比較動物薬理研究室)が「生体分子の遺伝
的異常と病気」をテーマに講義をされました。
北澤先生は、遺伝子の異常から機能異常に至るまでの流れを説明し、遺伝子の変異で起こる骨格筋収縮機序
とその異常による過剰な収縮とP糖蛋白質の遺伝的異常による薬物作用の増強(薬を体の外に汲み出すこ
との異常)という2つの症例の解説をされました。設計図であるDNAでは、ひとつの塩基の置換や欠損に
より発現するタンパク質、そして機能が影響を受けることを説明されました。最後に動物福祉に関して、
交配による可能性のある弊害について、遺伝という観点から説明され、「遺伝性疾患は多くあるが、我々は
生を受けて生きている。その命は尊い贈り物であり、大切にしなければならない」とまとめられ、北澤先生の
講座は終了しました。
今回の講座で、2015年度の「人と動物の素敵な関係講座」は終了しました。
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