カナダ オールズカレッジ留学レポート(5月~11月) 木村 俊貴さん
5月
実習が始まって1ヶ月が過ぎました。毎日暑い日が続いています。それにつれて蚊やハエも多くなってきました。
実習先の農家さんは、教えてもらったところではなく過去に酪農大の学生を受け入れたことのあるVan Der Sluijs Dairyと言うところです。30年前オランダからカナダに移住してきた家族で、West Oldsで酪農を営んでいます。
生活ですが、今のところ問題はありません。まだ、全て理解することはできませんが分かってきた部分や、よく使われる言葉が分かり始めてきたので少しずつ成長しているのかなと思います。ただ、言葉が思い浮かばず話に入っていけないことや、伝えられないがほとんどで身振り手振りで努力していますが、Shy Boyと言われています。
ですが、これからが大切だと思っているので頑張ります。出来るならば、ほかの農家さんにも見学や実習に行けたらなぁとも思っています。
つい先日、コーンの種植えがありました。4年前に北海道に来たときは土地の広さでびっくりしていたのですが、今年はその上を行く広さだったのでまたまたびっくりしました。来月は小さなイベントがあるようなので楽しみ半分、不安半分です。
6月
カナダは毎日、暑い日と雨の日が続いています。日本の梅雨のような状態です。つい先日は大雨が降って、近くの都市では大変だったようです。
今月のレポートは、今月の21日にBreakfastというイベントを行ったのでそれを紹介します。このイベントは、みんなに酪農やミルクについて知ってもらおうという趣旨でアルバータ州の酪農家とアルバータミルク(農協のようなものだと思います)が協力して開催しました。天気があまり良くなかったのは残念でした。
内容は、名前の通り朝食を牧場で食べたり、牛舎を探検したり、トラクターで周囲を回ったり、獣医さんに来てもらって母牛のお腹の中にいる子牛を観察したりといったものです。
言葉だけではあまり面白くなさそうですが、農家さんたちが色々と工夫をして見に来てくれた人たちを楽しませていました。特に、テントでは人が常に食べている状態で、中身もミルクやヨーグルト、チーズといった酪農に関係あるものばかりで構成されていました。
いろんな人と触れ合って、英語はまだまだでしたが意見や自分自身のことを伝えることができたので今回のこのイベントは大きな収穫が自分にはあったと思います。
実習も残り2ヶ月を切りました。トラブルもこれからまだまだあるかもしれません。そんなことがあっても、最後にありがとうと言ってもらえるように、そして言えるように頑張りたいと思います。
7月
最初に先月のレポートの訂正をします。農家さんの使っている餌ですが、コーンサイレージが2種ではなくグラスサイレージが2種です。1番草と2番草の2種類です。
今月のレポートは、牛の餌であるサイレージについて書きたいと思います。
前回の報告で少し紹介しましたが、実習中の農家さんが使用しているグラスサイレージ作りを今月行いました。使用する草はアルファルファです。栄養価の高いマメ科の牧草です。
さすがカナダという感じで巨大な機械とトラックを使ってどんどん収穫して行きます。
上が牧草を切り取り帯状に並べる機械、下が収穫し細かくしてトラックに積み込む機械と様子です。トラックは機械と並走しています。
1番目がトラクターでサイロに詰め圧縮している様子です。空気が入らないように隙間なく圧縮していきます。2番目が圧縮後の様子です。3番目がプラスチック製のシートをかぶせた後です。空気が入らないように2重にしてその上にタイヤで重しがしてあります。これで一応は完成です。あとは発酵するのを待つだけです。最後に、綺麗だと思った菜種(キャノーラ)の畑を載せたいと思います。牧草やコーンで緑色の畑ばかりだと思っていたので、黄色のキャノーラの畑がより綺麗に見えました。
8月
今月お世話になった実習先は、Van Der Sluijs Dairyさんです。過去に村上奈津美さんが実習した牧場なので、これで酪農学園大学の学生を受け入れるのは2回目になります。牧場の概要としては、フリーストール牛舎で経産牛約155頭、未経産牛と子牛合わせて約100頭。搾乳は、パラレルパーラー(搾乳を後ろからするタイプ)。哺乳は、生乳を与えています。実習期間は、4月25日~8月29日の127日間。お休みは週に1回でした。
ここからは、各月の報告を簡単にしたいと思います。
5月・・・実習が始まってすぐだったので1番注意をされた月です。本当にBOSSが怖かった思い出があります。また、いろんな人に出会った月でもあり日本と違ったところがとても新鮮でした。
6月・・・この月は、Breakfastという牧場で酪農について知りながら朝食を食べようというイベントがありました。1つの牧場にどれだけの人が関わっているか、どんな餌や機械を使っているかなど酪農をよく知らない人たちにわかりやすく教えるためにアルバータの酪農家や獣医、アルバータミルク(日本でいう酪農連盟か農協だと思います)が開催しました。今年の担当がVan Der Sluijs Dairyさんでした。
7月・・・日本と同じで夏の暑い日が続くようになった月です。そして、牧草やコーンが大きくなった月です。そのため、この月は牛の餌であるグラスサイレージづくりを行いました。使用する草はアルファルファで、栄養価の高いマメ科の牧草です。さすがカナダという感じで巨大な機械とトラックを使ってどんどん収穫して行きます。朝からずっと休みなくバンカーに詰めていき2日かけて完成させました。
8月・・・集大成の月なので、一番苦労した月です。仕事も最もハードで、今まで2日かけても終わらない仕事を半日や1日で終わらせなければならないことが多かったです。それでも、3ヶ月間の努力は無駄じゃないと思えたので、大変だったけども楽しかったです。
4ヶ月間を振り返っての反省は、やはり英語です。話すことも書く事もできない状態で実習を始めて農家さんには本当に迷惑をかけたと思います。そして、最後まで英語はできませんでした。話したくても言葉が分からず、聞きたくても単語が分からずの状態でした。タウンハウスに移動した日も、Pabloさんが「仕事は問題ないが、英語ができないのは残念だった」と言っていたので少し悲しくなりました。これからも心配です。
最後は、少し暗い感じになってしまいましたが実習はとても良かったです。今月からは、学生なので今度は勉強に力を入れていきたいと思います。
9月
カナダも、だんだんと日も短くなって少し肌寒い日が続いています。
今月の報告書は授業についてです。とっている授業はAgricultural managementとFarm Equipment Operationです。
Agricultural managementは、大学の授業で言うと農業経済学です。主に市場価格の変動と予測が内容です。今、とっている授業の中で最も難しい科目です。予習復習が必ず必要になります。毎回宿題があるので毎日勉強している状況です。
Farm Equipment Operationは、農業機械の運転技術の実習です。座学だけではなく実際にトラックやトレーラー、トラクターなどを運転する授業です。酪農学園大学ではそれほど機械に乗ることがなかったので楽しく授業を受けています。
そして、English Classです。実習中英語で苦労をしたので、アドバイザーのPabloさんからの紹介でブラジルとペルーからの留学生と一緒に授業を受けさせてもらっています。留学生のみんなは5月から英語を勉強しているそうなので、追いつけるようにしたいと思います。
左の写真は、クラスメイトのブラジル人留学生のバースデーパーティーです。12月に帰ってしまう人もいますが、少ない時間でも海外で友達ができるのは嬉しいです。短いですがこのへんで終わりたいと思います。残り7ヶ月ですが、これから友達も出来てもっと楽しくなると思うので期待しています。
10月
Olds Collegeの秋授業が始まって早くも2ヶ月が経ち残り半分になりました。毎日、宿題やテストの予習で手がいっぱいです。今月は、色々なことがあったので報告したいと思います。
まずは、英語クラスの先生の紹介で日系ブラジル人の男友達と2人でカナダの人に日本語を教えることになりました。彼は、日本語も英語もポルトガル語もできる人です。
来年の4月に日本旅行と娘さんに会いに行くそうです。その前に、少し日本語と日本について知っておきたいということで教えてみないかと紹介してもらいました。まだまだ英語が上達していなかったので、いい機会だと思い引き受けました。
私にとって日本語は母国語なので今まで考えたことがなかったのですが、いざ教え始めると、日本について知らないことがたくさんあることに気づきました。私たち日本人からすると当たり前であっても、海外の人にとって不思議なことだったりするようです。そのため、その都度質問をしてもらうのですが、いざ答えようとすると、「なぜだろう。」とこちらが考えさせられることが多かったです。
例えば、「なぜ日本語は漢字、ひらがな、カタカナを使うのか」「敬語の使い分け」「『すみません』と『ごめんなさい』の違いと使う場面」といった事についてです。敬語は、日本語を普段使っていて気を付けるので曖昧な説明はできたのですが、残りの2つはインターネットで調べなければ分からないことでした。
「なぜ日本語は漢字、ひらがな、カタカナを使うのか」の答えは、日本語は固有の文字を持たない言語でしたが、紀元1世紀ごろから5世紀ごろにかけて、中国から漢字が伝来しました。漢字は日本人が初めて見た唯一の「文字」でした。そこで、日本語を漢字で書くことにチャレンジした。これが「万葉仮名」です。「あしひきの やまにゆきけむ やまびとの……」という日本語を、「安之比奇能 山尓由伎家牟 夜麻妣等能……」と表記しました。
ところが、一音一字じゃ書くのが面倒なので、日本語の単語を漢字1文字であらわす方法が発明されました。これが訓読みです。さらに、もっと簡単に書きたいということで、漢字を崩すようになって、それがひらがなになりました。また、お寺では、お経の注釈などを本文の脇に小さい字で書く必要性から、漢字の一部を生かして略したカタカナができました。ひらがなとカタカナができると、漢字と組み合わせれば読むのが分かりやすくなり漢字仮名混じり文ができました。こうして、何百年もかけて、漢字・ひらがな・カタカナを混ぜて使う漢字仮名混じり文が発達してきた。
「『すみません』と『ごめんなさい』の違いと使う場面」は、「すみません」も「ごめんなさい」もどちらも謝罪の敬語なのですが、「すみません」は自分に非がない時に使い、「ごめんなさい」は自分が悪いことをした時に使うようです。例えば、電車が揺れて人に当たった時は「すみません」、騒いで人に当たったときは「ごめんなさい」といった感じです。
どちらもこのように調べて初めて気づくことがあるので、これから毎月教える中で改めて日本語や日本について学んで行きたいと思います。そして、答えを英語で説明できるようになりたいと思います
次に、Thanksgiving dayについてです。Thanksgiving dayとは、収穫感謝祭といった感じだと思います。カナダでは10月の第2月曜日に七面鳥の丸焼きやマッシュポテト、サツマイモの料理、キャセロール、デザートに、アップルパイやパンプキンパイを食べます。
その日は七面鳥を食べるつもりではなかったのですが、ブラジル人の友達が食べるとのことだったのでご馳走になりに行きました。火災報知機がなるハプニングもありましたが、楽しく1日を過ごしました。
3つ目は先日カルガリーに行った話をしたいと思います。Oldsは、街としては広いのですが、お店であったり、交通であったりと色々と不便なことがあります。
そこで、カルガリーでショッピングを楽しみたいと思い加藤くんと行ってきました。
街はOldsと違って大きな建物と市電が通っていて、まさしく都会といった感じです。日頃、ショッピングが出来ず不満に思っていたので少し使い過ぎかなと思うくらい買い物を楽しみました。
最後に、今週の中間テストについてです。今週Agricultural managementの中間テストがありました。以前ミニテストがあったときは2割しか取れなかったので、今回も同じように点数が低くなるのではないかと思い予習をした上で挑みました。結果は4割でした。たった4割ですが、私にとっては嬉しいことです。予習したとはいえ、英語に自信のない状態だったのでいざ始まると難しいと感じる内容でした。しかし、所々理解ができたので少しは成長していると実感できました。
11月
Olds Collegeの秋授業が終わりに近づいてきました。毎日-20℃を超える寒い日が続いています。今週または来週からFinal Examが始まります。日本でもこの時期は大変な思いをしてきましたが、海外なのでいつも以上に気合を入れなければ単位は貰えないと思います。
今回は前回と同様に日本語のレッスンについてと先週末に夏の実習でお世話になったVan Der Sulijs Dairyに少し手伝いに行った話を書きたいと思います。
今回の日本語のレッスンは、電車の乗り方についてです。娘さんに会った後に旅行するようなので、移動手段となる電車と新幹線について詳しく知っておいてもらおうと計画しました。内容は、初めに快速や特急といった電車の違いと値段の違いについてです。快速や特急は酪農学園大に在学していた時に思ったこと、注意しておきたいことなど自分の体験を混ぜながらの説明でした。特に、停車する駅の確認が重要なポイントなので、そこは繰り返し伝えるようにして覚えてもらう形をとりました。次に、海外から日本に旅行しに来た人は新幹線に乗りたいと思うそうなので、新幹線についてです。新幹線は、自分自身あまり乗ったことがないので、今回1番説明が大変でした。おおまかな説明は、快速と結びつけての説明でグリーン車、指定席、値段などの違いがメインでした。質問された内容は、新幹線の運行状況についてや乗り遅れ、チケットの買い忘+れ、指定席への変更などトラブルの対処についてでした。この質問はその時は答えることができなかったので、今月のレッスンで改めて答えたいと思っています。最後に、チケットの買い方と予約についてです。チケットは、自動券売機と窓口それぞれでの買い方と予約の方法について説明をしました。カルガリーにも市電があるので自動券売機はすんなりと理解してもらえたと思います。ただし、窓口は行き先、快速などの指定席、日時など伝えることが多いので少し難しいようでした。
次に、Van Der Sulijs Dairyに手伝いに行った話についてです。手伝うきっかけは、先週クリスマス休暇に泊まりに行っていいかの確認をした時に、返ってきたメールを勘違いしたことでした。簡単に説明すると、土曜にVaultingのイベントでいそがしいから金曜に会って話そうといった内容でしたが、勘違いをして土曜にいそがしいから金曜に会ってそのまま手伝って欲しいとお願いされていると思ってしまいました。このように誤解したことによって手伝うことになりました。金曜日は、夏にある程度の経験をしているので、軽い気持ちで行きましたが、実際は夏より厳しい仕事になっていました。外が-27℃の中で雪かきや牛舎の掃除をすることがどれほど辛いことかを言葉通り体で実感しました。
土曜日は、Vaultingのイベントでしたが前日の雪かきが原因なのか、ひどい風邪にかかってしまい手伝うどころか心配されてしまいました。イベントは、Sports Dayイベントで子供たちがVaultingの演技を見せたり、振り付けを即興で考え音楽に合わせて踊ったりといった内容でした。ランチも用意され、いつもより遠慮せずに食べてしまいました。
日曜日は、朝の仕事だけ手伝ってCollegeに送ってもらいましたが、3ヶ月間の英語に成果なのか、会話が順調に出来ていたことが3日間の会話に現れていたことが嬉しく思いました。
11月はこのような感じで、大きなことはありませんでしたが、普段の生活やちょっとしたことが少しずつ変化していっていることを感じる1ヶ月間だったのではなかったかなと思います。カナダの12月は、とても冷えるようなので体調に気をつけていこうと思います。年末は、Van Der Sulijs Dairyに泊まっているか機会があればプチ旅行などができたらいいなと思っています。北海道とは違う冬をカナダで楽しみたいです。
上が牧草を切り取り帯状に並べる機械、下が収穫し細かくしてトラックに積み込む機械と様子です。トラックは機械と並走しています。
1番目がトラクターでサイロに詰め圧縮している様子です。空気が入らないように隙間なく圧縮していきます。2番目が圧縮後の様子です。3番目がプラスチック製のシートをかぶせた後です。空気が入らないように2重にしてその上にタイヤで重しがしてあります。これで一応は完成です。あとは発酵するのを待つだけです。最後に、綺麗だと思った菜種(キャノーラ)の畑を載せたいと思います。牧草やコーンで緑色の畑ばかりだと思っていたので、黄色のキャノーラの畑がより綺麗に見えました。

2ヶ月間一緒に実習したAudrey

Japaneseレストランの
うどんと寿司

お世話になった酪農家さん

カルガリーのショッピングモール

キャノーラ畑

ダンスBAR

テントでの朝食の様子

トラクターを使って
収穫しているところ

バースデーパーティーの料理

バッファロージャンプ1

バッファロージャンプ2

バッファロージャンプ3

レストラン3

家が道路を走ってきました

実習先に続く道

超音波で子牛をみているところ

日本のアニメ雑誌(OTAKU)

雷雲