
掲載日:2017.10.19
2017年度カナダアルバータ大学集中英語研修
獣医学群 獣医学類3年 吉岡美帆
私は今回初めて海外に1ヶ月間滞在し、文化や土地の違い、英語を使って他国の人と会話ができる喜びなどを実感しました。
まず、カナダは非常に多民族国家であるというのを目の当たりにしました。カナダのバスに乗っていても、違う言語で話している人がいることなんて珍しくありません。実際私のホストファミリーも、モーリシャスという国から移住してきた方たちでした。他のホストファミリーの方もカナダ人ではない人が結構いました。そのため、近郊には色々な国のレストランで溢れていました。学校の帰りにPerogyというウクライナ料理を移動販売車で買って食べたことがあります。モチモチな皮の中にチーズとジャガイモが入っており、サワークリームを付けて食べました。とても気に入りました。自分でも作ってみたいです。
左がperogyで右はロールキャベツ
毎日の食事に関して言えば、インド料理を食べていました。インド料理というと、”じゃあ毎日カレーなの?” などと思う人が大半だと思います。実際、これ以外の感想を日本人から言われたことはありません。インド料理は実に様々な料理があります。私たちがよく知っているナンに関しては、一回しか食べませんでした。それよりもDal roti という発酵させていない薄いナンの様なものをよく食べており、それとSambarと呼ばれているスープと、チンゲン菜を炒めたものや、豆の煮物、Rapiniという野菜を炒めたもの、オクラを焼いたものなど野菜中心のおかずを少しずつ手で混ぜてDal rotiに付けて食べていました。また、インディカ米も結構な頻度で食べました。先程述べたようなおかずをお米と混ぜて食べます。実に健康的な生活を送っていました。

Dal rotiと野菜中心のおかず

インディカ米とSambarとおかず
またそんな多民族国家だからか、上手に英語の発音が出来なかったり、上手に話せなくても優しく対応してくれたり、街の人が気さくに話しかけてくれたりしてくれてとても嬉しかったのを覚えています。そしてカナダでは、そんな移民に対して自分たちの文化を押し付けようとしません。カナダの文化より自分の国の文化の方が好きならば、その考えを尊重してくれます。その証拠の一つに、実に様々な参拝所があります。私のホストファミリーはヒンドゥー教を信仰していたので、ヒンドゥー教のお寺に連れて行ってくれました。大きな寺でした。

祈るホストマザー

入口

お説教中
そんな様々な文化を受け入れるカナダ人は、日本人に劣らずとても礼儀正しかったです。例えばバスで相手にぶつかってしまった時、お互いに謝ります。ぶつかられた側の人が謝るのは、距離が近すぎてごめんなさいという理由だそうです。また、バスから降りるときにありがとう!と大きな声で運転手に叫びます。最初の例は日本でよくある光景かもしれませんが、今まで日本人だけが礼儀正しいという観念だけで育った私にとっては、この事実は結構衝撃的なことでした。このようなカナダの文化に触れて、日本人は寛容ではないということに気付きました。日本では少数派を良しとしない文化があります。みんなと違うのはおかしい、恥ずかしいという考え方が、今日本に住んでいる海外の方々にとって困難な状況にしていまっているのかもしれないと思いました。私はこの考え方をとても情けないし、損をしているなと感じました。少数派を良しとしないということは、他の考えなどを受け入れづらいということです。よく言えば、日本の文化が守られるということにもなりますが、それだと考え方が固定され個性もなくなるし、偏見も出てきやすいのではないかと思います。私は日本がもっといろいろな人々が滞在しやすい国になればいいなと思いました。
次に土地に関しては、カナダには山が多くないため、とても開けていました。夕日が地平線に消えていく景色が忘れられません。また元々土地が広大な上に山がないため、土地が余っています。そのため、カナダの家は基本的に大きく、縦に大きいというより横に大きいです。そして大体の家には地下があります。私は地下の部屋に住まわせてもらいましたが、気温が低いため、夏は快適そうだなと思いました。冬は家全体に暖房が入るため、地下にいても凍えることはなさそうでした。また、家では靴を脱ぐ家庭が多く、スリッパを履いて過ごしていました。カナダでは冬に雪がたくさん降り、雪が付いたブーツでそのまま家に上がると家が汚れるし、ブーツをずっと履いて過ごすのは足が蒸れることから、家では靴を履かない習慣が付いたのだろうと先生から教わりました。しかし靴を脱ぐからといって玄関はなく、ドアを開けるとすぐ応接間でした。ドアを開けてその場で靴を脱ぎ、隣の靴箱に入れます。玄関がないことは、とても不思議な感じがしましたが、気候が人々の習慣に結びついていることを実感できた例でした。またカナダで山といえば、ロッキー山脈です。ロッキー山脈は日本の山と違い、岩から出来ていました。ロッキー山脈にある池などは、昔氷に削られてできた窪みに水が溜まってできたものです。そのため池の周りの岩の山頂はどこも尖っていたように思います。また針葉樹しか生えていないため、景色としてとても整っていました。また大きな山脈なだけあって、とてもカメラには収まりきらず、どの景色も大迫力で本当に感動しました。

ロープウェイからの景色

Lake Louis
オーロラはエドモントンで観測が可能でした。暗いところでしか見られないと思っていたら、住宅街でも見られるようで驚きました。私は見られなかったので、またカナダに行くつもりです。また、カナダ国内には国立公園が多くあります。ここではバイソンやヘラジカ、クマ、オオカミなどとてもたくさんの動物の生息地が保護されています。私が行ったエルクアイランド国立公園内では、動物が車に轢かれないように車が通ると音がなる部分や、車がスピードを出せないようにうねった道があったり工夫がされていました。また大きな池に人々が集まってボートを漕いで楽しんだり、バーベキューやピクニックを楽しんだり、人々が自然を楽しめるスポットがあったり、サイクリングをしている人がいたり、単なる動物達を保護する場所ではなく、人々が自然を楽しめる場所にもなっており、とても素敵でした。カナダ人は自然と共に生きているということを感じられた場所でした。

国立公園内にいるバイソン

セジロアカゲラ
ホストファミリーと公園内でピクニック
語学に関しては最初にテストを行い、そのあと自分のレベルに合ったクラスを振り分けられましたが、少人数だったので人数的に丁度良く、とても授業に参加しやすかったです。私のクラスでは、オバマ元大統領の演説やカナダの都市を紹介する動画を見たり、本を読んで自分の考えを色んな人と話し合う機会が与えられたり、文章を書いたり、バランスがとれており、またカナダのことについても知れて毎日とても楽しく勉強できました。授業での印象的な出来事に、先生がカナダでは他の文化も尊重するが、アメリカではアメリカの文化を一番とすると教えてくれたことがあげられます。その話を聞いた時、アメリカとカナダの文化は大きく違うのだなと感じたのを覚えています。今考えてみれば当たり前のことなのかもしれませんが、それまで私は言語も同じで、国も隣同士だからか、ずっと特に差はないのだろうと思っていました。とても恥ずかしいです。また私の英語力だと仕方ないことだとは思いますが、日本人が異常に多いなというのが少し残念な点ではありました。もう少し他の国の人と交わりたかったです。
クラスメイト
カナダでの留学を終えて、少し英語に対して抵抗感が無くなり、英語で話す機会をもっと積極的に作っていきたいなと思えるようになりました。一ヶ月間という短い間ではありましたが、その間にカナダと日本の文化の違い、気候や語学について、多くのことを経験できました。これからも英語の勉強を継続し、将来海外で役立つことが出来るようになりたいと思います。