エクステンションセンター生涯学習課主催の「円山動物園体験講座」が10月1日(日)に開催され、受講者は24名でした。
基調講演として、本学獣医保健看護学類郡山尚紀准教授(動物行動生体研究室)が「アフリカの野生動物〜タンザニアのチンパンジーの面白い生態と人間との関わり〜」をテーマに講義を行いました。
郡山先生は、チンパンジーの面白い生態として、人間と同じようにベッドで眠ることやチンパンジーの遊びの内容、道具を使った狩りの方法などについて動画を交えて紹介し、人間との共通点などを説明されました。また、近年報告されるようになったチンパンジーの病気は、観光客などから感染した可能性が高く、チンパンジーの生息域に人間が入り込むことの危険性についても紹介されました。そして、チンパンジーを守るためには何をすべきか考え、最低限のマナーを守ることの重要性を訴えました。
また、本講座が動物園での開催ということを受け、動物園の果たす役割や動物園へ足を運ぶ際の目的として、単にレジャー目的だけではなく、動物たちの棲む環境のことやその国のこと、その国との日本の関係など様々なことを関連連想づけて考え、感じることが大切であると説明されました。
昼食後は、円山動物園の菅原里沙獣医師より「動物園獣医師の仕事」をテーマに講義が行われ、日々の業務内容や動物園で働くことの魅力などが紹介されました。また、普段見ることのできない動物病院を見学させていただき、実際に使用されている麻酔機器や手術道具、手術の方法などを紹介いただきました。
最後に、郡山先生にチンパンジー館やモンキーハウス、類人猿館を案内いただき、動物たちのとる行動の意味などを解説していただき、講座は終了いたしました。
受講者の皆さんは本講座の受講を通して、これまでと違った視点で動物たちを観ることができ、動物園に対する思いも変わったのではないでしょうか。