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掲載日:2015.04.24

アメリカ・フィンドレー大学 留学レポート(3月) 佐藤将太さん

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RGUメンバー

今月は今までの月よりも、様々なイベントがありました。先月末から今月頭にかけてジョージアでボランティアをしたあと、まもなくして短期のフィンドレーアニマルハンドリングプログラムで梶野朱里さんが来て、帰国したあとは中間テストが有り、そのあとはイースターブレイクとめまぐるしく月が過ぎていきました。梶野さんとは学校であったことがなかったので、空港に行くまでの道中、川村先生とどんな人だろうと話していました。実際あってみた感想としては、あっ日本人だ、というものでした。お辞儀、丁寧なお礼、低姿勢、敬語、などこれぞ日本人という行動を常にとっていたからです。けっして嫌味ではありません。特にクラスメートの前でこれらのことをするとかなりからかわれていたり、不思議というよりも不審がられていたりしていたので、私は意識して消していました。また、ほかの日本人に年上の方はいらっしゃるので、その方々とは敬語で話し、先生や本当に感謝しきれない時には丁寧なお礼を使いますが、それほど頻度としては高くもなく、日本人の友達も同じ期間いるので、皆の中でほぼ失いかけていました。そのため、梶野さんのすがたがとても新鮮で、これこそ日本人だと思ったのです。それと同時に自分がいつの間にかアメリカに馴染んでいるのだなと少し嬉しくなり、 日本に帰ったあと果たして戻れるのかと少し不安になりました。
そんなことを思いながら3週間梶野さんと行動を共にして様々なイベントに参加し、また逆に彼女のプログラムに便乗しました。彼女が来てすぐに、今年の5月に酪農学園大学に行くフィンドレー大学生と昨年酪農学園大学に短期留学したケイティーとマディーを加えて鍋パーティーをしました。こちらには鍋料理がなく、あまり馴染みのない野菜を使うので説明するのがなんとも難しかったですが、ケイティーたちが協力してくれたおかげでわかってもらえました。女子のうちの一人のジャネルが辛いものが苦手ということだったので、キムチ鍋とだしを入れた普通の鍋を用意したにもかかわらず、キムチの方が美味しいと言って次々と平らげてしまったのはとても面白かったです。またケイティーとマディーのお箸講座もしたので、楽しみながら食べることができました。
その後、私は22歳の誕生日を迎えました。去年はフィリピンで迎えたので、まさか2年連続海外で迎えるとは思いもしませんでした。誕生日当日、友達がカップケーキとプレゼントを用意して祝ってくれました。また、色々な人がフェイスブックなどのSNS上でメッセージを送ってくれました。日本では春休みになってしまうので都合上今までこれほど多くの人に祝ってもらったことがなかったのでとても思い出深いものとなりました。
梶野さんと受けた授業では、とてもいい経験となりました。いくつかは自分の本来の授業の都合上行けなかったものなので、今まで聴講を続けていたカーン先生の授業を見に行きました。内容は、子豚の歯を抜いたり、山羊の角を抜いたりタグ付けを行ったりと、基本的に前期のもの同じだったので、自分がどこまで覚えているかという良い復習になりました。いつもなら授業の内容を早くに忘れてしまうにもかかわらず、ほとんどのものを覚えていたので、やはり実際に自分の手で行いながら、そばで先生の指導を受けるやり方が自分にあっているものなのだと改めて思いました。
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バーンでの様子

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スペイの様子

もう一つカーン先生のもとでフライデーナイトという特別な課課外実習がありました。これは毎週金曜日の夜に行われるもので、5時頃から準備をし、カーン先生の差し入れのピザを食べたあとに、猫のスペイやキャストの手術、犬の検診、馬の注射や家畜動物の治療など様々なことを行うものです。また、基本的に検診以外は先生の指導のもと学生だけで行いそれをだいたい夜中の3時頃まで行います。課外実習については、2年前にこのフィンドレーの長期留学に行った秋山さんから話しを伺っていたのでとても楽しみにしていました。日本では、去年の春休みに10日間学外実習に行きましたが、それ以外は授業で少し教わった程度で経験数は極めて低いものでした。それに加えて馬についてはフィンドレー大学に来てから学び始めたので、ほぼ全てが初めてのことでした。しかし、周りの人達から優しくやり方を教えてもらい、すべての内容を手伝うことができました。特に馬の注射は、合計100頭ほど行なったのでスムーズに出来るようになりました。また、猫のスペイの手術はさすがに看護である私が直接執刀をすることはできませんでしたが、キャストにいついては自分の手で何匹か行い、アドバイスなしでひとりでもできるようになりました。これらの経験、特に馬に関しては、日本に帰ってからでは経験する機会がほとんどないと思うのでとても貴重な経験が出来たと感じました。馬と小動物とでは大きさの違いがありますが、接し方や感覚などはある程度同じだと思うので、その技術を日本に戻ってからも発揮できればと思います。

協力してくれた仲間たち

また、この課外実習を通して日本とアメリカでのペットに対する意識の違いについて学ぶことができました。まず、アメリカでは日本と同じで野生の猫よりも野生の犬の割合が圧倒的に低いです。そしてもし野生の犬または猫を見た場合、役所に連絡をするか、自分で捕獲し、スペイ、キャストがなされているかの確認と、それらがなされていない場合は積極的に病院に連れて行き、手術をしてもらうということでした。またアメリカでは猫はキャストとスペイの他にも爪抜きを行うのが主流となっています。これは病気の予防や衛生面からでの処置ではなく、基本的には猫が人や家具にひっかくことをさせなくするためにおこなうのだとカーン先生はおっしゃっていました。正直私としてはこの考え方があまり理解できずにいます。もっと言うと野性のものにまで手を出す必要はあるのだろうかと思いました。人がなるべくトラブルとリスクを避けるようにとスペイ、キャストをし、そのうえ猫の爪抜きをするならば、最終的には犬の歯と声帯を除去されるのではないかと思いました。この倫理的価値観は人それぞれですが多くのアメリカ人にとってはそれが普通のようです。このフライデーナイトでは、学べることが大変多いので4月に入った現在も参加しています。
今月は梶野さんのおかげで様々な体験をすることができました。先生方や梶野さん本人からたくさんの感謝の言葉をいただきましたが、私からすれば梶野さんの短期留学を手伝う上で、いろいろな活動に参加できました。また、今回手伝えたのも周りの先生方の協力や友達の手伝いと親切があったからこそ出来たものだと強く思っています。そのため、私は梶野さんをはじめ、先生方や協力してくれた友達に感謝したいです。

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