6月16日から6月30日までの15日間、オハイオ州立大学獣医学部より、2名の女子学生が来訪しました。
滞在期間中、主に本学動物病院で臨床実習に参加しました。
滞在期間中の6月28日、日本での研修についてインタビュ―に応じてくれました。
聞き手は、獣医学部蒔田浩平准教授(エクステンションセンター国際交流担当次長)です。
―酪農学園大学に来て、どう感じましたか?
ローラ(以下L):こちらへ来てたくさんのことを学びました。獣医学群の先生方は、たくさんのことを教えて下さいました。その全てが素晴らしい経験でした。
ベッキー(以下B、彼女にとっては今回が2回目の酪農大訪問です):
酪農学園大学に戻って来ることが出来て、とても嬉しいです。前回も素晴らしい経験をしたので、本当に戻って来たいと思っていたのです。
前回の研修と比べて今回違いを感じたことは、今回の研修では前回の時より、より専門的に獣医学を学べたことです。それはとても良かったです。
―おそらく獣医学群の先生方も、あなた(ベッキー)方の学年とこれまでの獣医学教育の経験を考慮してのことでしょうね。前回来られた時あなたは、獣医学教育が始まる前のプレ教育であるフィンドレー大学の学生でしたから、基礎的な獣医学の知識がなかったあなたに獣医学の講義をすることは、難しすぎると判断したのでしょうね。だから確かに今回は、前回に比べてより専門的な内容だったと思います。
L:私は、大学での伴侶動物の臨床獣医学はこれから始まるところなので、動物病院の中でこんなに長い間過ごすのは初めての経験でした。だからこれからオハイオに戻って、
大学の動物病院の診療内容や設備の違いを学ぶのがとても楽しみです。
―オハイオと酪農学園大学の違いは?
B:私たちの大学は、1年目は講義中心なので、まだ動物病院での実習を経験していません。帰国後2年生になるわけですが、これから経験していく中で、
酪農学園大学との違いを比較できるというのはとても面白いことだと思います。また、酪農学園大学の学生たちがこんなにも親切だとは思いませんでした。みんな声をかけあっているし、とても素敵でした。
―それは面白いコメントですね。私はアメリカの大学の方が、外国から来た人を歓迎するホスピタリティー精神
があると感じていますよ。アメリカも日本も、外国からお客さんが来ると嬉しいので、親切にするのかも知れませんね。
―「日本」という国をどう感じますか?
B:とても好きです。2回の経験が重なり、さらに好きになりました。初めて来た時はカルチャーショックもありましたが。
L:習慣の違いなど新鮮でした。家の中で靴を脱ぐことなど。それから、私にとってとても貴重な経験だったのは、日本人学生さんたちと言葉を交わす体験により、言語の重要性を認識できたことでした。私にとって第一言語である英語は、彼ら(彼女ら)にとっては第二言語で、日本語は私にとっては第二言語であるわけです。そのような状況でコミュニケーションを取っているうちに、これまで普段何気なく使ってきた言葉というのは、こんなにも貴重なツールだったことに初めて気が付きました。とても興味深い体験でした。
―なるほど。ベッキーはすでに前回体験したことと思いますが、今ローラが感じているのは、カルチャーショックと呼ばれる現象で、これからアメリカに帰った時、きっと「カウンター・カルチャーショック」という現象を経験することでしょう。この2週間のうちに、知らない間に日本文化に適応していると思います。その状態で帰国すると、今度は自分の文化がおかしく感じたりするものなのです。
―さてベッキーはこれからケニアに行くと聞きましたが、何を目的に行くのですか?
(ベッキーはアメリカに帰国後一週間で、ケニアにまた出かけます。6週間現地で研究をするそうです。)
B:ケニヤにある国際家畜研究所(ILRI)の研究者の指導を受けながら、ナイロビ国立公園で動物のダニを採取して研究する予定で
す。
―酪農学園大学の学生に一言。
B:本当にありがとうございました。たくさんのことをみなさんと一緒に経験できて、とても楽しかったです。全てに感謝しています。
L:みなさんの助けや、理解や、忍耐に本当に感謝しています。
―私も酪農学園大学を代表して、お二人にはとても感謝しています。私自身は長い時間をお二人と一緒にいることはできませんでしたが、ホームステイで来てくれたローラはいつも積極的で明るく付き合ってくれ、また頑張って日本語を話そうとしてくれました。私の犬に日本語で「カワイイ!」と何度も言ってくれましたね。我が家でのバーベキューでは、学生達と、日本とアメリカで、言葉で愛情を表現する時の違いについて語り合っていたのも良い思い出となりました。
―お二人がこれから獣医師になるにしろ大学で研究者になるにしろ、将来オハイオ州立大学と酪農学園大学とどのような協働の機会があるかわかりませんが、なにかビジョンはありますか?
B:私たちはまだ若いのではっきりとしたことはわかりませんが、学生さんたちと一緒に学ぶ中で、同じ目標や同じ研究興味があるのがわかりました。
―そうですか。ベッキーは酪農学園大学に再び来てくれてどうもありがとう。ローラもいつかまた戻ってきてください。これから、あなた方がキーパーソンとなって、両大学の間の、また日本人とアメリカ人との間の友好関係をこれからもさらに発展させていければと思います。
B:そしてオハイオにも、ぜひ酪農学園大学の学生さんたちには来てほしいです。
―ありがとうございました。
B,L:「ありがとうございました」(日本語で)