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掲載日:2012.05.16

青年海外協力隊 現地レポート 後藤文さん/ザンビア・獣医衛生

派遣国・職種・隊次            ザンビア・獣医衛生・平成23年度3次隊  

派遣期間                         2012.1~2014.1

酪農学園大学出身研究室    大動物臨床ゼミ 及川伸教授

卒業・修了年月                 2008年3月卒業

 

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Q1 参加しようと思った動機は?

学生の頃から、獣医師として開発途上国に行きたいと思っていた。

 

 

 

 

 

Q2 派遣国での活動、生活、エピソードなどを教えてください。

天然資源開発短大(Natural Resource Development College)でAnimal Science Departmentで教鞭をとっている。今学期はIntroduction to livestock diseases の授業と実習を担当した。時間のある時は卒業生が運営している小動物病院の手伝いや付属農場に足を運んだりしている。短大は首都の郊外にあり、敷地内のホステルに住んでいるが、電気・水道が整っており(停電はしょっちゅうだが)、生活に不便は感じない。

学生は真面目で、授業中もわからないことがあるとすぐに質問をしてくれる。教師の問いかけにもきちんと反応してくれるのでやりやすい。

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大動物に関しては、日本では教科書でしか見たことのない伝染病がこちらでは間近にあったりワクチンを打ったりするのでとてもわくわくする。鶏と牛、山羊、東部では豚が一般的な家畜である。

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CIMG2362小動物診療の患畜は100%犬で、日本では愛玩動物だが、こちらではあくまで「番犬」なので、扱いが非常に雑で、犬を撫でたりする人はいない。不審者をより警戒するために、「凶暴になる薬は無いか?」という質問を受けたりもする。

 

 

 

 

 

 

ザンビアは公用語が英語なので、みんなペラペラである。アフリカンアクセントが最初は全く聞き取れなかったが段々慣れてきた。また74の民族から成り立ち、1964年の独立以来内戦の無い平和な国である。英語以外の主要な現地語が7つあり、5~6カ国語を自由に操る人がほとんどである。敬虔なキリスト教徒が多く、「どこの教会に行くの?」という質問を頻繁に受ける。男女ともに身だしなみに気を遣い、特に女性は頻繁に髪型を変えたり(かつら、つけ毛がほとんど。自然な状態の髪型の女性はあまり見ない)、服装に気を遣ったりおしゃれである。

サッカーが最も人気のあるスポーツの一つで、先日アフリカカップでザンビアが優勝したときはお祭り騒ぎだった。

 

Q3 帰国後の進路は?

まだ決めていない。大学院も視野にいれている。

 

Q4 酪農学園在学生へ一言、お願いします。

幅広く勉強して下さい。私は途上国では大動物だろうと思って大動物を中心に勉強していましたが、こちらにきて小動物も診るようになって、夏休みなどに小動物病院の実習もしておけばよかったと後悔しています。それとは別に得意分野もあるといいと思います。自信のある分野は日本語でも外国語でも堂々と喋れますし、コミュニケーションの足がかりになります。

言葉に関しては、日本語で病気を覚えるときに横の英語をちらっとみて頭に入れておくだけでも大分違うと思います。医学英語も言葉の組み合わせなのでパターンがわかればそんなに難しくありません。日本語できちんと理解していれば必ず英語でも表現できます。逆にどんなに英語が達者でも理解していないものは説明できません。

それから、友達をたくさん作っていろんな話をして、たくさん本を読んで、いろんなところに遊びに行ってください。私は知床に行きそびれました。

また偉そうですが、自分の今いる環境、周囲の人に感謝する気持ちを忘れないでください。この短大の入試の面接をやったとき、ほとんどの受験者が高校を卒業してから学費を稼ぐために何年か働いてから、応募していることに驚きました。それはみんな早くに両親を亡くしていたり、いろんな理由で親に仕事がなかったり(病気で働けなかったり)、収入が低かったりするからです。進学するために親戚に援助してもらったり、自分でスポンサーを見つけてきたりしていて、だからこそみんな真面目に勉強します。

個人的な事ですが、私は昨年の震災のとき、福島の二本松市で牛の獣医師として働いていました。ガソリンもなく、生乳を捨てるしかない農家さんに対して何もできませんでした。この報告書を書くにあたって酪農学園大学のHPを久しぶりに見ましたが、「酪ネット」という団体があって様々な活動をされていることに卒業生としてとても嬉しく思いました。もちろんこのような団体に所属していなくても個人で現地に活動に行った方や、目に見える形で行動していなくてもいろんな事を考えている方がたくさんいると思います。日本でも日本の外でも、そこでしかできない事はたくさんあります。悔いのない学生生活を送ってください!

私の活動とは直接関係ありませんが最近、金沢21世紀美術館館長の蓑豊さんが書いた「超・美術館革命」という本を読みました。読みやすくてとても面白かったです。私の伝えたいことがほとんど書いてあったので是非!海外留学を考えている人の参考にもなると思います。

 

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酪農学園大学社会連携センター(2012.05.16)|中間報告(青年海外協力隊), 体験談, 全件, 国際交流

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