
掲載日:2017.06.04
2017年度人と動物の素敵な関係講座Iを開催
エクステンションセンター生涯学習課主催の「人と動物の素敵な関係講座I」が、6月4日(日)午前9時より、本学研修館で開催されました。受講者は30名で、10代から80代の方までの、幅広い年齢層の方々の参加がありました。
講義1では、本学獣医学群獣医学類伴侶動物医療学分野伴侶動物内科学Iユニット前原誠也准教授が、「見えなくなったペットとの暮らし方」をテーマに講義を行いました。前原先生は、動物の目の構造を説明し、行動特性によって人との違いが生じた網膜や色覚について解説され、動物の見ている世界を話されました。その後、目の病気を症例ごとに解説し、「動物の行動から目の異常を感じた場合、治療法が確立されている症例もあるので病院へ連れて行きましょう」と話され、実際に目が見えなくなった動物との接し方を説明し、講義は終了しました。
講義2では、本学附属動物医療センター長であり、獣医学群獣医学類伴侶動物医療学分野伴侶動物外科学IIユニット廉澤剛教授が、「どのように腫瘍と向き合うか」をテーマに講義を行いました。最初に廉澤先生は、腫瘍になった時、腫瘍の性質上、根治できるということについて確率論でしか言えないという獣医療の現状について話されました。「腫瘍、治療法、獣医師、症例、家族の各因子により、根治できるかの判断は難しく、根治できない場合、腫瘍の進行を遅らせることや苦痛を緩和させること、栄養管理などを行い、生活の質を維持させることも大事である」と話され、獣医師から腫瘍の性状や状態、治療法などについての情報提供を行い、家族が納得できる治療法を選択するというインフォームドコンセントの重要性を説明されました。そのためには、他の獣医師の意見を聞くことも大事であるとまとめられ、講義は終了しました。