社会連携センター地域連携課は11月10日(土)、本学C1号館で「教育心理学講座」を開催し、10名の方々が参加されました。
今回は「虐待、体罰、DVが脳と心に与える影響~愛着障害を考えながら~」と題し、本学の須賀准教授(教育発達心理学研究室)が講義を行いました。
講義では「愛着」の重要性について具体的な事例を交えて説明がなされ、「愛着」とは安全な居場所、つまり「安全基地」のことを指しており、幼少期に多くの安定した愛着を与える必要がある。それは親が与えることが一番大切ではあるが、虐待やDVなどにより難しい場合、保育士や教員など、子供たちの身近にいる大人からでも構わないことを解説。
また、一度抱えたトラウマは忘れることが出来ず、薬で治すことも不可能であるため、出来るだけ早期にカウンセリングを受け、まずは自分のトラウマの症状を知ることが重要であると説明されました。そして、トラウマからの回復方法として、仲間と語り合ったり、リラクゼーションやエクササイズで体を動かす他、書籍読んだり講演に参加することで知識を増やすことも有効であると解説されました。
最後に、脳の発達には遺伝子のみならず環境因子も作用することやトラウマによって脳(前頭前野の内側頭皮質や後頭葉の視覚視野)の容積が減少することも明らかとなってきたという国内外の研究成果を報告され、今回の教育心理学講座は終了しました。